ニーゴとは
「25時、ナイトコードで。」は、ボイスチャットツール『ナイトコード』を通して楽曲制作をしている音楽サークル。通称ニーゴ。
発起人である奏が個人で作った曲をきっかけに、曲に込められた想いに共鳴するかのように集まった。そんな4人の共通点は「絶望して、それでも希望を捨てきれず足掻いている」こと。
それを象徴するのがイベント「シークレット・ディスタンス」の中で桜を見た時のエピソード。綺麗なまま散っていく桜を見て「ずるい」と思う、ちょっと普通じゃない感覚を共有できるからこそ一緒にいられる。それぞれが抱える絶望に対して呪いをかけあうように、欠けてしまった部分を互いに埋めあって生きている、共依存にも似た関係。
ニーゴのストーリーは、無くしたものを取り戻す物語。最初はバラバラだった4人が、運命共同体になるまでの1年を振り返っていく。
それぞれが抱える絶望
奏:自身の音楽で父親を苦しめてしまった過去
宵崎奏は、作曲家の父親の影響で自身も作曲を始めたが、その才能は父親を遥かに凌ぐものだった。奏の音楽は知らず知らずのうちに父親を追い詰め、絶望した父親は奏のことも思い出せないような状態に陥る。
父親の手記で全てを知った奏は「誰かを幸せにする曲をつくり続けなければならない」という呪いを自身にかけ、自ら集めた「25時、ナイトコードで。」のメンバーと曲を作り続けている。
まふゆ:「いい子」を演じ続け自分を見失った過去
朝比奈まふゆは、両親の喜ぶ顔が見たくて2人の望む「いい子」であり続けた。その結果、「いい子」の対象は学校の友人や先生にまで広がっていき、気づけば食べ物の味を感じず、自分が何を好きで何をしたいかも分からなくなっていた。
見失ってしまった自分を取り戻したいまふゆは、ニーゴとは別に「Own」という名義で曲を作るが、自分を見つけるまでには至らない。追い詰められたまふゆが「セカイ」へと消えたことから、ニーゴのストーリーが動き出す。
絵名:父親に才能を否定された過去
東雲絵名は、有名な画家である父親に憧れ自身も画家を志すが、他ならぬ父親に才能を否定される。その後も反発心から絵を描き続けるが、「才能」へのコンプレックスは大きく、他者からの承認を手軽に得られるSNSへの自撮り投稿で現実逃避をしがち。
絶望の中で聴いた奏の曲をイメージして描いたイラストがきっかけでニーゴに加入。初めて自分を必要としてくれたニーゴでの活動を通じて、絵名は自分が絵を描く本来の理由を思い出していく。
瑞希:「みんなと同じ」ではいられなかった過去
暁山瑞希の悩みは、ニーゴの中で唯一明らかになっていないが、ユーザー間では「体の性別と心の性別の不一致」ではないかと言われている。瑞希が抱える悩みが原因でクラスメイトからは色眼鏡で見られることが多く、学校は不登校気味。
瑞希自身、ニーゴのことはこれまでにないほど大事に思っているものの、それ故に秘密を明かすことで関係が変わってしまうのを恐れる。
ニーゴの出会い
ニーゴの始まりは、奏とまふゆの出会いから。互いがネットに上げた曲で「絶望の底にいながら、それでも光を灯そうとする意志」を感じた奏とまふゆは、2人で曲を作るようになる。
しばらく立った後、絵名と瑞希が出会う。動画サイトで偶然流れた「K」というアカウントの真っ黒なサムネの楽曲に「苦しいのに優しい」印象を受けた瑞希。Kについて調べるうち、瑞希が感じたことをそのまま表したようなファンアートを見つける。インスピレーションを受けた瑞希は、勢いのままにその絵を使ったMVを作った。無許可でイラストを使用してしまったため、瑞希が連絡した相手が「えななん」こと東雲絵名その人だった。
この時は、類が卒業した後の学校に居場所を見い出せない瑞希、美術高校の受験に失敗した絵名と、2人もまた絶望の中にいた。
2人が作ったMVを見た奏は「伝えたいことを感じ取って、そのうえで他の人には簡単に出せないような強い想いを乗せてくれる」と評価し、正式にパートナーとして誘う。これによって、現在のニーゴを構成する4人が揃った。
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ニーゴ本当の始まり
ニーゴ結成後、顔も名前も知らないながらそれなりにうまくやっていたはずだったが、ある日突然まふゆが姿を消す。
ナイトコードの共有フォルダに入っていた「untitled」というファイルを開くと、モニターの発光とともに真っ白で何もない場所へ飛ばされる。そこで初めて顔を合わせた奏・絵名・瑞希は、探索を進めるうちにいつもと様子が違うまふゆを見つける。「いい子」の仮面を被り続けられなくなり、投げやりになったまふゆの言動で、3人の抱える絶望もまたあぶり出される。
最終的に、奏が「まふゆを救えるまで曲を作り続ける」という呪いをかけることでまふゆの失踪は一応の決着を見た。程よい距離感でうまくやれていた仮面は剥がれ、4人が抱える絶望をさらけ出してもニーゴとして活動し続けることを決めた。ここが25時、ナイトコードで。の本当の始まり。
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それぞれの問題と向き合う
まふゆの問題をきっかけに顔を合わせるようになり、各々問題に向き合いながら曲を作り続けるニーゴ。
4人は性格がバラバラだからこそ、それぞれ異なる角度で助けになろうとする。奏のカリスマ性が軸としてありつつ、時にはまふゆの飾らない言葉が決心につながり、どこまでも真っ直ぐな絵名が停滞を打ち破り、バランス感覚に長けた瑞希が選択肢を増やす。
4人それぞれ問題を抱えているものの、この1年で大きな波風が立ちつつ、解決の目処も立っていないのは瑞希とまふゆの2人。奏は父親の容態に変化がなく、悪い状態のまま安定している。絵名に関してはある意味解決済で、自分の弱さを認めた上で指導を仰ぐ環境も整っていて、あとは絵名自身がどれだけやれるかという状態。そんな奏と絵名は、2人を助ける側に回ることが多い。
問題と向き合う中で、セカイの住人も増えていく。彼らはみなニーゴをサポートする存在だが、曲者揃い。
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瑞希問題
4人で初めて遠出をした時、ニーゴの存在が特別だと自覚した瑞希。だからこそ、秘密を知られた時に関係が変わってしまうことを強く恐れる。少しずつ前に進む3人を前に、自分だけ秘密を抱えたままでいることへの罪悪感が募っていく。やがて瑞希の心は限界を迎え、ニーゴと距離を置こうとする。しかし、そんな瑞希の変化を見逃さなかった人がいた。そう、東雲絵名。
絵名は、「大事な友達」として瑞希の悩み解消の助けになろうとする。最初は持ち前の真っ直ぐさから「話してもらうまで諦めない」と言っていたが、MEIKOとの会話から「話すことで悪い結果になることもある」という可能性に思い至り、瑞希に対して「話していいって思うまで、ずっと待ってる」と伝える。それは瑞希への譲歩であり、裏返すと「絶対に離れない」という意思表示でもある。
一点の曇りもなく瑞希のことを「友達」と呼ぶ絵名なら、秘密を打ち明けても変わらずにいてくれるのではないか…。絵名の決意に応えようとする瑞希。しかしその瞬間、過去に拒絶された記憶が過ぎり、「いつか話せるようになったら話す」と嘘をつく。「話さなかったらずっと一緒にいられるかもしれない」と思ってしまったにも関わらず。ニーゴの皆と少しでも一緒にいたいから、絵名の優しさに甘える形で瑞希の問題は一旦の着地を迎える。
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まふゆ問題
瑞希の問題が先延ばしになったのは、まふゆ問題の本格化による影響も大きい。
「いい子」じゃない自分をさらけ出し、それを受け入れてくれる場所ができたことで少しずつ感情を取り戻していくまふゆ。最初は無意識の笑みだったが、ニーゴの皆といる時は心が温かいとまふゆ自身も自覚する。
皮肉にも、まふゆのやりたいことが明確になるほど、母親の求める「いい子」からは離れていく。ニーゴの活動は母親に秘密で続けていたが、勘付いた母親はシンセサイザーを捨てる、PCを(恐らく)わざと壊す等、あの手この手でニーゴからまふゆを遠ざけようとする。それに対して、ニーゴはそれぞれのやり方でまふゆをサポートする。
それでも日に日に強まる母親の干渉に、まふゆの心はすり減っていく。PCもスマホも使用できない状態に追い込まれ、意を決したまふゆは母親に本心をぶつける。しかし、母親から返ってきたのは「何も与えるんじゃなかった」という非情な言葉。母親とは分かりあえないことを悟ったまふゆが取った選択は「逃げる」ことだった。
結果的に決裂してしまったものの、絵名の後押しで母親に本心を伝え、瑞希が増やした「逃げる」という選択肢を選び、最後はまふゆに寄り添う意志を示した奏を頼るという、ニーゴが少しずつ前に進んだ1年の集大成とも言えるエピソードとなった。
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これから先の1年は
まふゆ問題は、母親から逃げる形で一旦の着地を迎えた。家を飛び出したまふゆは、奏の家で生活している。
悪い状態で安定しているので表面化はしないが、最も根深いのはルカに「自分から望んで囚われたままの子」と評される奏。絵名も父親との和解はまだ果たしておらず、受験によって問題が再燃する可能性もある。もちろん解決の目処が立っていない瑞希とまふゆの存在もあり、進級後の1年でも丸く収まる気がしないほど険しい道をニーゴは進んでいく。
Chasing your light, at 25:00
まずは11月開催予定の新イベント「ワールドリンクイベント」の初回がニーゴ担当ということで、全員がメインを担うストーリーがどう展開するかに注目したい。
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