【アニポケ】リコの魅力を全力解説|内気な少女から未来を託されるトレーナーへの成長記録

アニポケ「リコ」の魅力を徹底解説
目次

新たな風を呼び込む主人公、リコの登場

名前リコ
出身パルデア地方
現住カントー地方
学校セキエイ学園
声優鈴木みのり

長年多くのファンに愛されてきたアニメ「ポケットモンスター」。サトシとピカチュウの物語が一つの区切りを迎え、私たちはリコとロイという二人の新たな主人公と共に、未知なる冒険の扉を開いた。

物語序盤のリコは、内向的で思慮深い性格として描かれる。自分の考えをすぐに行動に移すよりも深く思考する傾向があり、他者の感情に敏感に反応する共感性の高さも特徴である。

この時期のリコは、祖母から託された「怖いのは最初だけ、ポケモンと一緒なら大丈夫」という言葉とペンダントを胸に、現状を変えたいという願いと未知への恐れの間で葛藤しながらも、一歩踏み出す意志を内に秘めていた。彼女の冷静な観察眼や共感力は、後の冒険において重要な役割を果たすことになる。

内向的な性格から、時にコミュニケーションに課題を抱えると見られることもあったリコ。しかし、その後の物語を通して、彼女は目覚ましい成長を遂げていく。ここでは、「リコとロイの旅立ち編」から最新の「メガボルテージ編」に至るまでの各章で、リコが直面した出来事、そこから得た気づき、そしてトレーナーとして、一人の人間としてどのように成長していったのかを、具体的なエピソードに基づいて解説していく。

リコ役のキャスト選出は新無印のゲストキャラがきっかけ

アニポケ レジーナ

鈴木みのりは、ラジオ「鈴木みのりと笑顔満タンで! #244」でリコ役が決まった裏側を以下のように語った。

(レジーナ役で出演したのが)「自分に自信を持てなくて落ち込んでいた時期で、たまたまお声がけいただいた役を演じて『すごく良かった』という風に現場でお褒めの言葉をいただいて、その言葉を受け取った時に『自分はもっと自分に自信を持つべきなんだ』って思ったし~」

「レジーナの役があったからこそポケモンアニメのスタッフさんも私のことを覚えていてくれるきっかけが生まれて、こうしてオーディションを受けることができて~」

仮にリコ役が決まらなかったとしても、アニポケは視聴者としても声優としても大事なターニングポイントだったと振り返っており、実際にリコ役が決まった時は母親にだけ電話で報告し、「こんなことってあるんだね」「人生何も無駄じゃないんだね」と泣きながら話したそう。

最初の一歩:「リコとロイの旅立ち」編

リコとロイの旅立ち編の手持ち
ニャオハ
ニャオハ
ミブリム
ミブリム

物語の序盤、リコは繊細で、時に考えすぎてしまう内向的な少女として描かれる。しかし、その心の奥底には、祖母の言葉を胸に「踏み出さなきゃ見つからない!」と、恐怖に震えながらも未知の世界へ一歩を踏み出そうとする、熱い意志が燃えていた。この内面の激しい葛藤こそが、リコのキャラクターを形作る原点と言えるだろう。彼女が持つ、物事を冷静に捉える「俯瞰で見る力」や、他者の痛みに寄り添う深い共感力(例えば、傷ついたミブリムへの優しさ)は、この思慮深い性格から生まれた、かけがえのない長所である。

リコの冒険は、彼女が持つ不思議なペンダントを狙う組織「エクスプローラーズ」との遭遇をきっかけに始まる。予期せぬ出来事に直面したリコは当初戸惑い、状況に翻弄される様子も見受けられた。また、最初のパートナーとなるニャオハとの出会いも、その気難しい性格から、リコにとっては関係構築の難しさを伴うものであった。

しかし、離島でのロイとの運命的な出会いを経て、リコは仲間と共に旅をする中で徐々に変化を見せ始める。特に、キャプテンピカチュウとの特訓においては、持ち前の観察眼を発揮し、バトルの重要な要素に気づくなど、トレーナーとしての素養の片鱗を示した。

リコが当初、他者とのコミュニケーションにおいて消極的に見えたのは、彼女本来の内向的な性格に加え、予期せぬ冒険の始まりという非日常的な状況と、それに伴うプレッシャーが影響していたと考えられる。

考えを即座に言葉にするのが不得手だったものの、彼女の根底には常に「現状を変えたい」という強い願いと、他者を気遣う優しさが存在していた。結果として、ペンダントを巡る外部からの脅威は、リコが内に秘めていた決意を行動に移すための重要な契機となった。

推しシーン:16話「私達と、勝負です!」

16話 私達と勝負です

エクスプローラーズの幹部・スピネルにリコロイドットの年少組だけで立ち向かうシーン。最高戦力のフリードと分断され、スピネルに記憶を操作されたリコの精神的ダメージも癒えぬまま、それでも3人で支え合い、息の合ったコンビネーションで格上に食らいつく姿が胸を揺さぶる。

リコとドットがリアルで顔を合わせるのはこの時が初めてだったことも今思うと趣深い。大好きです。

鈴木みのりはかく語りき
ラジオ「鈴木みのりと笑顔満タンで! #251」で語った内容

鈴木みのりさんは、自身が演じるリコというキャラクターについて、オーディションの資料を見た時から「ビビッときた」と感じており、「もう私(鈴木さん自身)はこの子を演じるために今生きているのかも」と思うほどだったと語りました。

それは、リコの内面的な部分、特に「考えていることを言葉に出せない」点や、「心の中ではものすごく色々なことが起きているのに、それを表に出せないからこそモヤモヤしてしまう自分」がいるという点に「似ているな」と感じたためです。このような葛藤を抱えるリコは、視聴者にとっても「わかるわかる」と親近感を抱きやすいキャラクターだと捉えています。

一方で、鈴木さんはリコが単に内向的なだけでなく、人との関わりが苦手だと感じながらも、「なんて言おうか」「どうしたらいいんだろう」と考えた上で、「勇気と度胸」をもって物事に「ちゃんと挑んでいる」点を強調しています。また、リコを「すごくネガティブだけど、ポジティブなことを言う」キャラクターだとも表現しました。

リコとの出会い、特に第1話の台本を読んだことは、鈴木さんの日常生活にも影響を与えました。リコが内面的な部分では似ているのに諦めずに自分なりに頑張っている姿を知り、「私もそうでありたいな」と強く思ったことで、「人見知り」という言葉を使いたくなくなったそうです。リコに「背中を押され」、自身の「日常生活のあり方が少し変わった」と感じたそうです。

光り輝く謎:「テラパゴスのかがやき」編

テラパゴスのかがやき編の手持ち
ニャオハ
ニャオハ
ニャローテ
ニャローテ ※進化
ミブリム
ミブリム

「リコとロイの旅立ち」編を経て、物語は第2章「テラパゴスのかがやき」編へと進む。ここでリコのペンダントが古代のポケモン・テラパゴスの姿に変わったことで、物語は新たな局面を迎える。祖母ダイアナから伝えられた「いにしえの冒険者ルシアス」の伝説と、テラパゴスをルシアスの待つ楽園「ラクア」へ連れて行くという目的が、リコの新たな冒険の指針となる。

目覚めたばかりのテラパゴスは好奇心旺盛な性質を示し、リコは当初その世話に苦労する。しかし、この共同生活を通じて、リコとテラパゴスの間には徐々に絆が芽生えていく。この過程で、リコの最初のパートナーであるニャオハがテラパゴスに嫉妬心を見せるなど、ポケモンたちの細やかな感情も描かれた。また、リコの祖母ダイアナも一行に加わり、その知識や経験をもってリコの精神的な支えとなる。

この編では、アニメオリジナルの舞台設定や、ロイ、フリード、ドットといった仲間たちのエピソードも描かれ、物語世界の広がりを見せた。これらの出来事や仲間たちとの関わりも、間接的ながらリコの視野を広げる一助となった。

終盤に訪れた黒いレックウザとのバトルでは、フリードとアメジオが共闘しても敵わない絶望的な状況でも強い意思を示すリコに応えるように、ニャオハはニャローテへと、力強い進化を遂げた。

テラパゴスを巡る謎と仲間たちとの絆の再確認を経て、ライジングボルテッカーズ一行は伝説の楽園「ラクア」を目指す新たな旅路へと進んでいく。

推しシーン:40話「いいよ、ひっかいても」

自身のこのはの影響でリコに怪我を負わせてしまったニャオハが過去のトラウマを思い出し、リコの元を離れようとした回。ニャオハを探すリコは、ニャオハを育てたブリーダー・マーニャの家にたどり着き、ニャオハが仲間を助けようとして放ったこのはがその仲間を傷つけてしまった過去を持つことを知る。

そしてニャオハを見つけたリコは、逃げようとするニャオハを捕まえ、「どんなに怖くても、痛い目にあっても、全部の始めてをニャオハと越えていきたい」と語りかける。ニャオハのトラウマを知ったうえで、それでもニャオハと一緒なら最後は笑えるという意思を示すために出た言葉が「いいよ、ひっかいても」。大好きです。

鈴木みのりはかく語りき

Anime Japan2024のトークショーの中で、鈴木さんは40話をお気に入りの回としてピックアップ。「ニャオハとは言葉がすべて通じる訳ではないからこそ、もっと深い所で通じ合えるようにという気持ちで演じている」「表面だけの言葉だと林原さんにも見透かされてしまうから」と、収録を振り返っていました。

ニャローテへの進化に際しての気持ちは、Instagramでより詳しく語られています。

挫折と成長:「テラスタルデビュー」編

テラスタルデビュー編の手持ち
ニャローテ
ニャローテ
ミブリム
ミブリム
テブリム
テブリム ※進化

リコの成長と挫折によりフォーカスしたのが、この「テラスタルデビュー」編である。テラスタルという新たな力を習得するため、リコはロイ、ドットと共にオレンジアカデミーに留学し、テラスタル研修を受ける。そこでのクラベル校長、トップチャンピオン・オモダカ、パルデア四天王といった実力者たちとの出会いは、リコにとって大きな刺激となった。

この編でリコが経験する最も重要な試練は、ジムリーダーたちとのテラスタル研修バトルである。カエデをはじめとする歴戦のジムリーダーたちに果敢に挑むリコだが、その道のりは決して平坦ではなかった。カエデ、チリに連敗を喫し、グルーシャからは不合格を告げられるという崖っぷちまで追い詰められる場面もあった。

しかし、これらの手痛い敗北や、息詰まるような困難こそが、リコの折れない心とトレーナーとしての揺るぎない地力を鍛え上げる、最高の糧となった。順風満帆ではないからこそ、乗り越えた時の成長はより大きなものとなる。それは、アカデミーを襲撃したエクスプローラーズの幹部・オニキスを単独で撃退するという形で実った。

この時期、リコはバトルをする動機を「夢中になってバトルするとニャローテの気持ちが伝わる、ニャローテとひとつになる、それが楽しい!」と自身の言葉で語るようになる。この変化は、かつて相手を慮って勝ちを譲ることすらあった彼女が、純粋に勝利を渇望し、敗北の悔しさに人目を憚らず涙を流す形で表れる。それは、トレーナーとしての精神的成長を示すものであった。

そして、「ただの敵」としか見ていなかったエクスプローラーズの幹部・アメジオとも思わぬ形で交流が進む。策略によりナッペ山の洞窟に閉じ込められた2人は一時的に休戦し、対話をする。アメジオは祖父から、リコは祖母から受け継いだ旅をしていること、互いにラクアを目指していることを知り、リコは協調を申し出る。アメジオはそれを拒絶するものの、互いの信念を知ったことで心の底では認め合うような温度感へと変化した。

推しシーン:67話「ロイとなら、もっと先へ行ける!」

テラスタル研修で積み上げた経験とエクスプローラーズ撃退で得た自信、その全てをぶつけ合いながらさらに相互理解を深めていくようなバトル。

それを象徴するのが「リコとなら/ロイとなら、もっと先へ行ける!」というセリフでした。リコロイ編で一番と言っても過言ではないぐらいに気合の入った作画も印象的。大好きです。

鈴木みのりはかく語りき

Anime Japan2025のトークショー1日目の中で、鈴木さんは56話「リコVSチリ!バトルの先に」をお気に入りの回としてピックアップ。「テラスタルデビュー編は、ゲームオリジナルのキャラと関わりながらいろんな形でリコたちが成長していったので特に印象深い。」「(リコが涙するシーンの超作画は)オンエアを見て初めて知った」と語っています。

運命との対峙:「レックウザ ライジング」編

レックウザライジング編の手持ち
ニャローテ
ニャローテ
マスカーニャ
マスカーニャ ※進化
テブリム
テブリム
パゴゴ(リコのテラパゴス)
テラパゴス

「レックウザ ライジング」編は、リコの物語が新たな局面を迎え、彼女自身が運命の奔流へと飛び込んでいく、まさに転換点と言える章である。祖母から託されたペンダントの謎は、古代のポケモン・テラパゴスの存在へと繋がり、テラパゴスとの縁はいにしえの冒険者・ルシアスとリコ自身の運命につながる。この旅路の中で、ルシアスの六英雄と呼ばれる強大なポケモンたちとぶつかり、絆を深めていく。

この編において、リコはもはや単なる「事件に巻き込まれた内気な少女」ではない。テラパゴスを守り抜き、その謎を解き明かすという使命の中心人物として、強い意志と責任感を胸に行動するようになる。

第75話では、いにしえの冒険者ルシアスの妻で高祖母にあたるリスタルの意志を継ぎ、正式にテラパゴスを自身のパートナーとして迎え入れるという感動的な場面が描かれた。これは、彼女が自らの運命と向き合い、物語を主体的に動かす存在へと成長を遂げたことを象徴する出来事と言える。

サンゴ・オニキスといった強敵たちとの手に汗握る激しいバトルを通じて、リコのトレーナーとしての実力も飛躍的に向上した。特に、物語のクライマックス、ラクアでの白いジガルデとの世界の運命を賭けた激闘の最中、ニャローテがマスカーニャへと進化を遂げたシーンは、多くの視聴者の心を揺さぶり、熱い涙を誘った。

数奇な運命から道が交わったアメジオとの共闘や、テラパゴスのステラフォルムへの変化など、物語の核心に迫る出来事が次々と巻き起こる中で、リコはかつての自分からは想像もつかないほどの勇気と、揺るぎない決断力を見せるようになった。この編を通して、リコは受け身の立場から完全に脱却し、自らの意志で未来を切り開いていく、物語の真の主人公へと、見事な変貌を遂げた。

しかしその結末は残酷なものであり、フリードとリザードンは生死不明の状態となり、スピネルの謀略によってラクアでの騒動の責任は全てライジングボルテッカーズが負うこととなった。

推しシーン:82話「お母さん、お父さん、いってきます!」

ラクア到達という大きな区切りのタイミングで初代OP「ドキメキダイアリー」の歌詞「いってきますを声にできたなら ちょっとだけ大人になったかもね」をなぞる演出。大好きです。

ちなみに2025年5月の「みのりダイアリー1周年イベント」では、アニポケ音楽担当・コーニッシュさんのピアノに合わせて鈴木さんがドキメキダイアリーを歌うというアニポケ勢歓喜な出来事もありました。

鈴木みのりはかく語りき

Anime Japan2025のトークショーでは、鈴木さん含むキャスト4人でレックウザライジング編のクライマックスを振り返りました。特に88話「激震の白いジガルデ」の収録時は、普段は厳しい音響監督の三間さんから鈴木さんの演技に対して「言う事ありません」という言葉が出たそうです。鈴木さんと三間さんはデビュー作のマクロスΔからの縁ですが、これまでやった収録の中でもそんなことを言われたのは初めてとのこと。

このエピソードについては、収録前に思い悩んだことやその様子に気付いたロイ役・寺崎裕香さんとのやり取りなど、鈴木さんの個人番組「みのりダイアリー<12ページ目>」の有料パートの中でより詳しく語られています。

新たなステージへ:「メガボルテージ」編

メガボルテージ編の手持ち
マスカーニャ
マスカーニャ
テブリム
テブリム
パゴゴ(リコのテラパゴス)
テラパゴス

ラクアでの最終決戦から1年後。未だ塞ぎ込んだ様子のリコの元を、心身ともに成長したロイが訪れるところから「メガボルテージ」編は幕を開ける。

ロイとのバトルを通じてかつての自分を取り戻したリコは、彼と共に「ライジングボルテッカーズの物語を取り戻す」という新たな決意を胸に、再び旅立つのであった。

推しシーン:「トリックフラワーいっぱい!」

ニャオハ時代から得意としていた、リコの指示に合わせたわざの出力調節。ニャオハ時代の「このはいっぱい」がニャローテに進化しても「マジカルリーフいっぱい」として引き継がれたことで、「もしマスカーニャ進化後に『トリックフラワーいっぱい』になったらとんでもないことになるのでは?いや流石にないだろう」とファンの間で冗談半分で言われていた光景が実現し、サンゴのオニゴーリは吹っ飛んだ。まだテラスタル状態での「トリックフラワーいっぱい」の可能性もあります。大好きです。

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